皮膚科

ピックアップ 7つの疾患リスト

  1. 膿皮症
  2. 犬アトピー性皮膚炎
  3. 脂漏性皮膚炎
  4. 様々な脱毛症
  5. 寄生虫症
  6. 耳の病気(外耳炎、中耳炎など)
  7. アレルギー

※疾患名をクリックタップすると各詳細にジャンプします

各疾患詳細

1. 膿皮症

① 症状
皮膚にポチッとした発疹がみられます。発疹は大きくなると、円のふちはかすかな皮膚カス・剥がれが見受けられ、円の中心から赤くなり、次第に円のわっか部分に赤い部分が移動していきます。さらに症状が進むと中心部が黒くなることもあります。一つだけみられることもあれば、複数に広がっていることもよくあります。
② 発生しやすい場所
背中、脇、股、おしり、肛門周囲、首元でよくみられます。
③ 発生しやすい時期
主に春、夏、秋。(皮膚が弱い動物では、寒い時期でも起こります)
④ 一般的な治療法
まずは主に皮膚科で使用する専用のシャンプーを使用します。また、適した洗い方も指導します。シャンプーなどの外用療法で治らない場合は、抗菌剤の飲み薬を使用したりすることもあります。脂漏症、犬アトピー性皮膚炎、甲状腺機能低下症、クッシング症候群などの病気が併発していると治りにくいこともありますので注意が必要です。しっかりと全身をチェックし、適切な検査・治療をしていく必要があります。

2. 犬アトピー性皮膚炎

① 症状
皮膚が赤くなる、脱毛するなどがみられます。進行すると赤くじゅくじゅくしたり、色素が沈着して黒くなったりもします。脱毛がひどくなり皮膚がそのまま見えることもあります。皮膚がごわごわしたりすることあります。
② 発生しやすい場所
目の周り、口の周り、耳、四肢、足裏、ときに脇、股などでよくみられます。
③ 発生しやすい時期
主に春先から夏などの暑い時期に多いですが、慢性化すると1年中みられます。
④ 一般的な治療法
犬アトピー性皮膚炎の症状の特徴はとにかく痒みがでることです。初期では皮膚に変化がなく、痒みだけが出ることもありますが、殆どの場合は、慢性化して再発を繰り返します。検査としてはIgE検査(外注での血液アレルギー検査)、皮膚スタンプ検査(院内で皮膚表面のばい菌・カビを顕微鏡で確認)、毛検査(院内で毛を抜いて毛包に潜むダニの有無を確認するのと毛の成長、患部の近くの毛を抜いて)などです。特徴として左右対称に皮膚の症状が出ることが多いです。
治療として、標準的にはステロイドを使用したりしますが、新しい治療法であるアトピーワクチン(減感作療法)、新たなかゆみ止めである新薬(アポキル)、治療補助薬としてシクロスポリン、インターフェロン療法、また外用療法(塗布剤、適切なシャンプー療法)などを実施し、できるだけステロイドに頼りすぎない治療を目指しています。

3. 脂漏性皮膚炎

① 症状
脂っぽい臭いが特徴です。皮膚は赤くなったり、脱毛したりがみられます。皮膚がごわごわしたり、脂のかたまりがでてくることもあります。
② 発生しやすい場所
擦れる部分、つまり首元、皮のひだ、四肢、四肢の付け根、肘や膝などの関節周囲などでみられます。
③ 発生しやすい時期
体質的に脂がよく出るタイプは季節に関係なく、1年中皮膚炎を引き起こします。
④ 一般的な治療法
脂がたまることでそこに脂を好物とするカビなどが増えて、皮膚炎が起き、かゆみが起こります。皮膚から全身的あるいは局所的に脂の臭いが発生するため、他の病気と違い、最近体臭が変化してきたなどで気づくこともあります。体質的に脂が出やすいタイプは、洗い流しを繰り返しても治まらないことも多いです。
病歴の問診をしっかりしつつ、皮膚にカビ(マラセチア)がいるかどうか他の病気がないかどうかを確認します。治療は、脂漏に適したシャンプー、痒みのコントロールとしてステロイドに依存しすぎない治療薬の選択、またシクロスポリンを使用することもあります。これらの治療により臭いや皮膚をひどくならないようにコントロールできることが多いです。

4. 様々な脱毛症

① 症状
皮膚に左右対称性の脱毛ができたり、関節周囲に片側だけ脱毛がみられたりと、様々な場所で脱毛がみられます。かゆみがでないこともあります。
② 発生しやすい場所
耳、目の周囲、顎下、四肢、体幹部、臀部など様々な場所でみられます。
③ 発生しやすい時期
脱毛症は、季節性が特にありません。冬に出ることもあります。
④ 一般的な治療法
かゆみが原因となり掻くことで脱毛することもありますが、この場合は単純な脱毛症ではなく、背景に皮膚病や身体の異常があったりすることも多いです。かゆみがなくただ抜けている場合は、ホルモン疾患(甲状腺や副腎etc)、休止期脱毛症、皮膚の栄養失調、血行障害、原因未定の脱毛症など様々な疾患が考えられます。
治療としては、原因をしっかりと見極め、それに見合ったきめ細やかな治療を選択していきます。血行障害改善薬、内分泌疾患改善薬、適切な食事指導(皮膚栄養食)などが主な対処で、時に避妊去勢手術を行うことにより治ることもあります。

5. 寄生虫症

① 症状
寄生虫症には毛包虫(ニキビダニ)症と疥癬(ヒゼンダニ)症があります。毛包虫症では、脱毛やかゆみがみられます。疥癬症では、かゆみや皮膚が赤くなったり、かさかさしたり、かさぶたがかさなったりすることがみられます。
② 発生しやすい場所
毛包虫症では、頭部、四肢端、臀部などに病変がみられます。疥癬症では、腹側皮膚を中心として、耳や肘に病変が出るのがかなり特徴的です。
③ 発生しやすい時期
毛包虫は季節に関係なく発症します。疥癬症では、暑い時期によくみられますが、疥癬と接触することで発症します。
④ 一般的な治療法
毛包虫症は、免疫力がまだ弱い若齢や免疫力の低下している高齢になって発症することが多いです。若齢の場合は飼育してからしばらくして、脱毛や痒みがみられることがあります。主に毛検査で診断します。疥癬症の場合は激しい痒みを特徴とし、突然の発症が多いです。さらに適切な治療が行われない場合は、どんどん症状が進行し、皮膚がボロボロになってしまうこともあります。
どちらの場合でも良好な成績を修めている治療薬を用います。寄生虫症だけが原因であれば短期間に駆虫を実施でき、それ以降は良好な治療経過をたどり、完治することが多いです。

6. 耳の病気(外耳炎、中耳炎など)

① 症状
耳が臭う、赤い、ごわついている、発疹ができる、耳をよく振るなどがみられます。
② 発生しやすい場所
耳の中、耳介部、あるいは耳の外側でみられます。
③ 発生しやすい時期
暑く湿った季節によくみられますが、冬場にでることもあります。
④ 一般的な治療法
軽い症状の場合は、赤みがみられず、耳の臭いだけがみられることもあります。症状が強くなると、耳垢がたくさん出たり、赤みが強くなったり、ずっと耳を掻いているなどの症状がみられます。ゆっくり進行していくこともあれば、中耳炎などは突然発症し、場合により皮膚とは関係なく中耳炎によるふらふらするなど神経の症状が出ることもあります。
外用薬による治療が一般的ですが場合によっては本院で耳内視鏡(オトスコープ)を用いて、耳の内部を観察し、状況によってはそのまま薬剤を注入したり、耳内の腫瘍を切除したりすることもできます。慢性的な耳の治療においては、耳内視鏡が非常に重要で、漫然と治療を実施せず、しっかりと原因を見極め、それに応じた適切な検査・治療を実施することで、長年患った耳の病気が完治することも多いです。

7. アレルギー

① 症状
アレルギー反応によって皮膚炎が起こるため、殆どの場合は皮膚の赤みがみられます。ひどくなると皮膚がごわごわしたり黒くなったりすることもみられます。
② 発生しやすい場所
アレルギーの種類によって様々な場所で病変がみられます。ノミアレルギーの場合は臀部でみられることが多く、食物アレルギーの場合は様々な部位で病変がみられます。
③ 発生しやすい時期
アレルギーは、そのアレルギー物質に触れた時、食べた時に発症するため、季節は関係ないことも多いですが、ノミアレルギーは主に暑い時期を中心とします。
④ 一般的な治療法
アレルギーが引き起こす皮膚炎は発生頻度順に、犬アトピー性皮膚炎、疥癬アレルギー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎、食物アレルギー性皮膚炎があります。いずれも痒みを特徴とします。外注でのIgE検査などを実施することもあります。治療は、一時的なアレルギーであれば、痒み止め(内服ステロイド剤など)を使用しますが、慢性的な痒みの場合は原因を追求し、原因を取り除く治療や、時にアトピーワクチン(減感作療法)、外用薬を用いた治療などを実施します。
ノミアレルギー性皮膚炎については、ホームセンターで売られているスポットタイプのノミダニ予防薬での対処を、その手軽さ故に多く見受けられるものの、実際にはあまり効果があがっていないことが多いです。現在の皮膚科診療では、スポットタイプのノミダニ予防薬は推奨されないため、治療として経口のノミダニ予防薬を実施します。

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