2020.05.10
スタッフブログ
「何回も吐く、食欲がない、普段からいろんなものを口に入れてしまう」
このような訴えで、来院されることがあります。
この時点でピーンと来る病気があります。
そう、「異物誤飲」による「腸閉塞」です。
先日来院されたワンちゃん(1歳5か月、ダックスフント)も、
同じような訴えで来られました。
「何か食べたのかなぁ、心配だなぁ」と思いながら
お腹を触っていると、硬いものが触れる・・・
「何かある、異物だったら大変だ、早く何とかしないと」
と思い、レントゲン、超音波検査を行ったところ、
異物が見つかりました。
異物の正体は「石」が疑われ、腸で完全に詰まっていた(腸閉塞になっていた)ため、
その日のうちに手術をさせてもらうことになりました。
手術中、腸から石を取り出し、腸を縫って一安心。
念のために、他の腸を見ていたところ、
一部の腸の色が凄く悪い・・
石が無理やり腸を通過したため、腸がすごく傷ついていたのです。
「この腸は放置しておくと、穴が開いてとんでもないことになる」
と判断し、この色の悪くなった腸を切り取り、前後の腸を縫ってつなげました。
約20㎝も腸を切りましたので、
思っていたより大変な手術になりましたが、無事終わりました。
ここで本当に一安心。
腸閉塞の原因となった石
このワンちゃん、約1週間入院しましたが、体調もどんどん回復していき
すごく元気な状態で退院しました。
退院後も体調は全く問題ない感じでした。
うまく治って良かったです。
ホッとしました。
さてこの「異物誤飲」ですが、
起こしやすいワンちゃん、猫ちゃんには特徴があります。
・若い
・好奇心が旺盛
・なんでも口に入れちゃう
です。
このようなワンちゃんは「異物誤飲」にご注意ください。
また、よく見る異物には
・ぬいぐるみ
・石
・靴下
・竹串
・果物の種
・ひも状のおもちゃ
などがありあます。
これらの誤飲には注意が必要です。
もし「異物を食べてしまった、食べたかも」ということがありましたら、
当院までご相談ください。
動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也