2025.11.07
愛犬のお腹が膨らんで息苦しそうにしている――これは緊急事態です。すぐに動物病院へ連絡してください。

犬のお腹の膨らみと呼吸困難は、数時間で命を落とす病気の可能性があります。
「様子を見よう」は命取りです。お腹が膨らんで息苦しそうな症状が見られたら、昼夜を問わずすぐに動物病院へご連絡ください。
本記事では、どうぶつ病院京都 桂の獣医師が、なぜ即座の受診が必要なのか、どのような病気が考えられるのかを解説します。
犬の腹部が腫れる時、食べすぎや肥満といった一過性のこともありますが、適切な処置が必要な病気が隠れていることがあります。
犬の胸とお腹の間には「横隔膜」という筋肉の壁があります。お腹の中に異常な量のガスや液体、腫れた臓器があると、横隔膜が押し上げられ、肺が十分に膨らめなくなります。
その結果:
これらは愛犬が酸欠状態になっているサインです。放置すれば確実に悪化します。
胃拡張捻転症候群(GDV)は、犬における最も緊急性の高い疾患です。胃にガスが急激にたまり、胃がねじれてしまう病気で、2〜6時間以内に処置しないと命を落とします。
典型的な症状:
**これらの症状が1つでも見られたら、一刻も早く動物病院へご連絡ください。
発症から2〜6時間で命を落とす可能性があるため、これらの症状が見られた場合は迷わず動物病院を受診してください。
避妊手術をしていない雌犬で発症する緊急疾患です。子宮に膿がたまる病気で、放置すると敗血症を起こし命に関わります。発情期の後に、陰部から分泌物が出る、お腹が膨らむ、元気がない、水をたくさん飲むなどの症状が見られたら、すぐに受診してください。
お腹に余分な水分がたまる状態で、数日〜数週間かけてゆっくりお腹が大きくなります。ゆっくり進行しても、必ず治療が必要です。
原因はいろいろあり、代表的なものには以下のような病気があります。
進行はゆるやかで、数日~数週間かけてお腹が大きくなるケースが多く、突然パンパンに張る胃捻転とは見た目が異なります。
腹腔内にできた腫瘍(できもの)が原因で、腹部がふくらんでくることもあります。
特に、脾臓(ひぞう)や肝臓にできる腫瘍では、ゆっくりと気づかないうちに大きくなっていくケースが多いです。
一部の腫瘍は破裂してお腹に出血し、急にお腹がふくらむこともあるため注意が必要です。腫瘍の種類によって症状はさまざまですが、「なんとなく元気がない」「最近痩せてきたのにお腹だけ出てきた」という声から発見されるケースもあります。
副腎からホルモン(コルチゾールホルモン)が過剰に分泌される病気で、中高齢犬に多く見られます。[6] 体は痩せているのにお腹だけぽっこり(太鼓腹)、水をたくさん飲む、毛が薄くなるなどの症状が特徴です。
お腹が膨れてくる理由は、以下の通りです。
犬の便秘は重度の場合や長引くと腹部膨満の原因となります。
結腸(大腸)内に便が長期間停滞すると、以下のような変化が生じてお腹が張ります。
便秘を引き起こす原因としては、大きく生活習慣によるものと病気によるものに分かれます。
生活習慣としては、
が挙げられます。
便秘を起こしえる病気には以下のようなものが挙げられます。
交通事故や高所からの落下により、腹部の臓器が損傷を受けることがあります。損傷を受けた臓器から出血し、腹部内に血液が溜まる場合があります。
「様子を見よう」ではなく「今すぐ病院へ」が正解です。
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犬のお腹が膨らんで息苦しそうな症状は、命に関わる緊急事態の可能性があります。
特にこれらの症状は一刻の猶予もありません:
「様子を見よう」ではなく「すぐに病院へ」
愛犬の異変に気づいたら、迷わず動物病院へご連絡ください。早期発見・早期治療が、愛犬の命を守る唯一の方法です。
**飼い主様とどうぶつの幸せを守ることが、私たちの使命です。**いつでもご相談ください。
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監修: どうぶつ病院京都 桂
院長 黒島稔也
プロフィール
https://animal-katsura.jp/%e5%86%85%e7%a7%91%e8%aa%8d%e5%ae%9a%e5%8c%bb/