診療予約

ブログ

てんかん発作

2020.05.29

スタッフブログ

 

「急に力が抜けて、エビぞりになった。その後、体が固まっていた」
「以前にも同じような症状がでたことがある」

 

このような訴えで来院されたワンちゃんがいいます。
トイプードル 4歳 男の子です。

 

このような症状は「発作」と呼ばれます。
こんな症状がでて、さぞ不安だったと思われます。

 

早速診察をさせてもらいました。
診察中はすでに「発作」は落ち着いていたので、
ケロッとしていました。

 

血液検査を行い、発作を起こす血液の異常を除外し、
年齢、症状、犬種などから「特発性てんかん」と仮診断しました。

 

今日はこの「特発性てんかん」についてお話させていただきます。

 

「特発性てんかん」とは、
脳が過剰に興奮することにより、発作を起こす病気です。

 

発作を起こす脳の病気は、この病気の他にもあるので、
確実にこの病気を診断するためにはMRI検査が必要となります。

 

ただ、MRIには全身麻酔が必要であったり、検査を受けられる施設が少なかったり、
(京都府下では2施設)
という事情もありますので、「特発性てんかん」の特徴を満たした場合には、
MRI検査を行わずに「特発性てんかん」と仮診断することもあります。

 

特発てんかんの特徴は
・発作の出始めが1歳~6歳
・発作が出ていない時はいたって普通
・発作を起こす血液の異常がない
・特定の犬種(プードル、ラブラドールレトリバーなど)で多い
などがあります。

 

今回のワンちゃんも、この特徴を満たしていたため、
「特発性てんかん」と仮診断し、発作を止める薬の使用を始めました。

 

薬を飲み始めた後は、発作を起こすこともなく、穏やかな生活を送っています。
飼い主さんも一安心ですね。
喜ばしいことです。

 

今日は「特発性てんかん」についてお話させてもらいましたが、
このような「発作」でお困りでしたら、
是非当院までご相談下さい。

 

動物病院 京都 西京桂 獣医師 黒島稔也