2020.05.17
スタッフブログ
「ご飯をたべない。元気もない。吐く。」
という訴えで来られた猫さんがいます。
6歳の女の子です。
何とかしたいと思い、原因を調べたところ、
腎臓の数値が非常に高い。
BUN(腎数値) | 107 | 正常値(16~36) |
CRE(腎数値) | 7.3 | 正常値(0.8~2.4) |
年齢、画像検査などより、「急性腎障害」
と診断し治療を始めました。
急性腎障害(急性腎不全、AKIとも呼ばれます)
は読んで字の通り、急激に腎臓が悪くなる病気です。
猫の「急性腎障害」を起こす原因には
・ある種の炎症止め、痛み止めの薬(NSAIDs:エヌセイズと呼びます)
・尿管結石、尿道結石
・ユリ科の花の誤食
・急激な脱水
などがあります。
この猫さんですが、飼い主さんにお話を伺ったところ
眼の治療でNSAIDsを使っており、これが原因ではないかと思いました。
(NSAIDsの飲み薬で腎臓病になることはあるのですが、
目薬でなるのは正直レアケースだと思います)
頻繁に通院して、点滴治療を受けてもらい、
猫さんも、飼い主さんも非常に頑張ってくれました。
そのおかげで、1週間で体調は良くなり、腎数値も良くなりました。
治療前 | 治療後 | |
BUN(腎数値) | 107 | 27 |
CRE(腎数値) | 7.3 | 1.4 |
実は腎臓病には、急性と慢性の2パターンあるのですが、
急性と慢性の大きな違いは完治するかどうかです。
急性腎不全は原因を取り除ければ、
完治する可能性があるのです。
この猫さんも今では特に腎臓の治療をしていませんが、
腎数値は問題ありません。治っています。
チュールを食べて満足!
良い状態を維持できて、非常にうれしいです。
猫さんの腎臓病でお困りであれば、
是非当院までご相談下さい。
動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也