2020.05.11
スタッフブログ
「先生、うちのワンちゃん、
精巣(睾丸)の位置がおかしいのだけど、どうしたらいい?」
という相談を受けることがあります。
精巣が正常な位置にないことを
「陰睾(いんこう)」と言います。
他にも「潜在精巣」「停滞精巣」「停留精巣」「腹腔内精巣」
などと呼ばれることがあります。
色々呼び方があると、混乱しますね。
出来れば統一してほしいと思っています。
私は「陰睾」と呼ぶことが多いので、ここでは「陰睾」
と呼ばせてもらいます。
今日はそんな「陰睾」と呼ばれる病気を説明させていただきます。
先ほども言ったように精巣が正常な位置にないことを
「陰睾」と呼びます。
ワンちゃんでは遅くとも、生後6か月までに精巣は正常な位置に降りてきます。
ここで降りてこないのが「陰睾」です。
まず「陰睾」は2タイプに分かれます。
①皮下陰睾=精巣が股のところ(鼠径部と呼ばれます)にあるタイプ
②腹腔内陰睾=精巣がお腹の中にあるタイプ
*正常では2個とも陰嚢と呼ばれる嚢の中にあります。
どちらのタイプも正常な場合に比べて、
精巣が腫瘍になるリスクが高く、
13~20倍も腫瘍になりやすいと言われています。
ただし、外科手術で採ってしまえば何の問題もありません。
ですので、当院では「陰睾」が見つかった場合には、手術をお勧めしています。
以前当院で「陰睾」の手術を受けたR君。
「精巣の位置がおかしい」「精巣が降りてこない」
ことでお困りでしたら、是非当院までご相談下さい。
動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也