2020.09.29
スタッフブログ
「皮膚にあざが出来ている・・」
「口の中からの出血が止まらない」
このような訴えで来院された、ワンちゃんがいます。
9歳の女の子です。
さっそく見てみると、口の中に出血のあとがありました。
皮膚の下での出血もあり、あざになっていました。
口の写真です
首のあざの写真
原因を調べるために検査を行ったところ、
血を止める細胞である「血小板」の数値が0。
顕微鏡でも全く見えません・・
これは困った・・
さらにいろいろな検査を行った結果、
「免疫介在性血小板減少症」と診断しました。
(ITP、IMTP、IMT、特発性血小板減少性紫斑病と呼ばれたりもします)
なんだか長ったらしい名前ですが、
ざっくり言うと
「自分で自分の血小板を壊し、すごく出血しやすくなる病気」です。
症状としては
・皮膚からの出血(紫斑、点状出血)
・粘膜からの出血(口など)
がよく見られます。
このワンちゃんは、自分で自分の赤血球を壊す貧血も
同時に起こっており、「エバンス症候群」と呼ばれます。
治らないこともけっこうある、なかなかの難病です。
とは言え、何とか治したいと思い、出来るだけの治療を行いました。
治療内容は
・輸血
・ステロイド
・免疫抑制剤
・ヒト免疫グロブリン製剤
などなど・・
飼い主さんもワンちゃんも非常に頑張ってくれました。
その結果・・・
少し時間はかかりましたが、血小板の数も貧血も良くなり、
今ではすっかり元気です。
元気になりすぎて、体重が少し増えすぎてしまいましたが(苦笑)
Rちゃん
出血、貧血、血小板減少でお困りでしたら、
当院までご相談下さい。
動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也