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降りてこない精巣と腫瘍

2021.09.07

スタッフブログ

 

「昔から片側の玉が降りてきていません」

 

12歳のミニチュアダックスさん(男の子)の診察中に、
飼い主さんと上記のような会話をしました。

 

そして、触診によって右側の玉(精巣)が皮膚の下(皮下)にあることがわかりました。

 

今日は、そんな精巣が降りてこない病気=潜在精巣と
精巣の腫瘍についてお話します。

 

潜在精巣は別名、陰睾、停滞精巣、停留精巣とも呼ばれ、
本来なら陰嚢(玉袋)に降りてくるはずの精巣が降りてこない病気です。

 

降りてこない精巣は
・お腹の中に残っている場合
・皮膚の下まで降りてきている場合
があります。

 

 

どちらのケースも通常の位置にある精巣と比べて
10倍以上腫瘍になりやすいと言われています。

 

そして腫瘍の種類としては
・悪性腫瘍(セルトリー細胞腫、セミノーマ)
・良性腫瘍(ライディッヒ細胞腫)
があります。

 

今回のワンちゃんは精巣を切除して検査した結果
右側(降りてきていない側)が悪性腫瘍
左側(通常の位置にある側)が良性腫瘍
と診断されました。

 

これらの腫瘍は外科切除により良好に治るケースが多く、
今回のワンちゃんも良好に経過していくと思われます。

Bちゃん 手術頑張りました。

 

精巣の悪性腫瘍は早期に切除してしまえば、問題ないことが多いですが、
放置しておくと命に関わることもあるなかなか厄介な代物です。

 

そのため精巣が降りてきていない場合は早期の去勢手術が勧められます。

去勢手術、潜在精巣でお困りでしたら当院までご相談ください。

 

 

動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也