てんかん発作

 

「急に力が抜けて、エビぞりになった。その後、体が固まっていた」
「以前にも同じような症状がでたことがある」

 

このような訴えで来院されたワンちゃんがいいます。
トイプードル 4歳 男の子です。

 

このような症状は「発作」と呼ばれます。
こんな症状がでて、さぞ不安だったと思われます。

 

早速診察をさせてもらいました。
診察中はすでに「発作」は落ち着いていたので、
ケロッとしていました。

 

血液検査を行い、発作を起こす血液の異常を除外し、
年齢、症状、犬種などから「特発性てんかん」と仮診断しました。

 

今日はこの「特発性てんかん」についてお話させていただきます。

 

「特発性てんかん」とは、
脳が過剰に興奮することにより、発作を起こす病気です。

 

発作を起こす脳の病気は、この病気の他にもあるので、
確実にこの病気を診断するためにはMRI検査が必要となります。

 

ただ、MRIには全身麻酔が必要であったり、検査を受けられる施設が少なかったり、
(京都府下では2施設)
という事情もありますので、「特発性てんかん」の特徴を満たした場合には、
MRI検査を行わずに「特発性てんかん」と仮診断することもあります。

 

特発てんかんの特徴は
・発作の出始めが1歳~6歳
・発作が出ていない時はいたって普通
・発作を起こす血液の異常がない
・特定の犬種(プードル、ラブラドールレトリバーなど)で多い
などがあります。

 

今回のワンちゃんも、この特徴を満たしていたため、
「特発性てんかん」と仮診断し、発作を止める薬の使用を始めました。

 

薬を飲み始めた後は、発作を起こすこともなく、穏やかな生活を送っています。
飼い主さんも一安心ですね。
喜ばしいことです。

 

今日は「特発性てんかん」についてお話させてもらいましたが、
このような「発作」でお困りでしたら、
是非当院までご相談下さい。

 

動物病院 京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

猫とカビ

 

「拾った子猫が脱毛していて、人間の家族に湿疹ができた」

 

という訴えで来院された子猫さんがいます。

 

診察をさせてもらうと、鼻の頭が脱毛している。

 初診時です

 

「子猫」
「顔の脱毛」
「人間にも症状が出る」

 

この3つのキーワードから推測される病気があります。
それは「皮膚糸状菌症」つまり「カビによる皮膚炎」です。

 

「皮膚糸状菌症」は、
「糸状菌」と呼ばれるカビが皮膚炎を起こす病気です。

 

幼い動物や高齢動物でよくみられます。
顔や肢先などに皮膚炎を起こすことが多いです。

 

この病気は人間にも感染し、皮膚炎を起こすので要注意です。

 

診断は「ウッド灯」と呼ばれる特殊な光をだす機械で行います。
カビがいるとうっすらと光ります。

ウッド灯 ウッド灯

 

この子猫さんに「ウッド灯」を使用して光をあてたところ、
光っていました。

 

「皮膚糸状菌症」と診断し、カビの薬を使用しました。
脱毛は段々と良くなり、2か月後には完全に良くなりました。

 現在の写真

 

この皮膚炎は治療期間が長くなりがちですが、
根気強く治療していくと、しっかりと治ります。

 

上記のような症状でお困りでしたら是非当院までご相談下さい。

 

動物病院 京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

食べない原因は?

 

「体重が減ってきた。口が痛くてたべにくいのかも・・」
という訴えで来院されたワンちゃんがいます。
10歳のトイプードルです。

 

診察をすると確かに重度の歯周病(歯周炎)がある。

 

何とか食べるようになって、体重が増えてほしいと思い、
全身麻酔をかけての歯科処置を行うことになりました。

 

歯科処置前です。 かなり歯石が付いています

 

歯周病は歯石の上で増える歯周病菌が原因となり起こります。

 

歯周病になると
・顔に穴が開く(外歯瘻)
・歯茎に穴が開く(内歯瘻)
・鼻と口の境目に穴が空く(口鼻漏)
・下あごの骨折(下顎骨折)
・心臓や肝臓に悪い影響がでる

などが起こる可能性があります。

 

歯周病になってしまうと、全身麻酔をかけての歯科処置が必要となります。
歯石を取り、歯周ポケットを掃除します。
悪くなりすぎた歯は抜歯を行うこともあります。

歯科処置の後です。

一部抜歯を行い、歯石を取ってキレイになりました。

歯科処置の次の日からよく食べるようになったようです。

うれしいですね。

 

歯科処置を行うと歯周病は良くなりますが、
その後に何もケアをしないと、また歯石がついて歯周病となってしまいますので、
飼い主様と協力して、ご自宅での歯科ケアを行っていきます。

 

歯でお困りの方は
是非当院までご相談下さい。

 

動物病院 京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

子猫とワクチン

 

「子猫を拾ったんだけど、どうすればいいの?」

 

この時期になると、このような理由で来られる方が増えます。

(今の時期は猫の出産時期なので子猫が増えます)

 

来られましたら、
まずは健康診断して、病気がないか確認します。

 

健康であることがわかれば、
病気にならないための予防スケジュールを組んでいきます。

 

猫ちゃんの予防は大きく分けて2つです。

 

① 混合ワクチン
:いろんな感染症から猫ちゃんを守るためのものです。
② フィラリア、ノミ予防
:寄生虫から猫ちゃんを守るためのものです。

 

今日は当院での「混合ワクチン」の接種スケジュールを紹介します。
(フィラリア予防は、以前ご紹介したので今回は省略します)

 

最初の年は基本的に3回接種します。

2か月齢で1回目
3か月齢で2回目
4か月齢で3回目
という感じで打っていきます。

 

ワクチンの種類ですが2種類あります。

① 3種ワクチン⇒お外へ行かない猫ちゃん
② 5種ワクチン⇒お外へ行く猫ちゃん

 3種ワクチンです

 

ワクチンを打った後は「アナフィラキシー」という
急性のアレルギーを起こす可能性があるので、
1回目、2回目の接種後は15分ほど院内で様子を見させてもらいます。

 

初年度のワクチン接種が終わった後は、
基本的に年1回のワクチン接種をオススメしています。

 

「ワクチンを打つ回数を減らしたいな~」という方には、
ワクチンの効果判定が出来る「抗体検査」という検査がオススメです。
この検査でワクチンがしっかり効いているとわかれば、
その年度のワクチン接種は不要です。

 

ここでワクチン接種にきてくれた子猫ちゃんの紹介です。
Sちゃん 3か月

2回目のワクチン接種に来られました。

 かわいいですね~ 元気にチュールを食べて帰りました

 

ワクチン接種でご不明な点があれば、是非当院までご相談下さい。
かわいい猫ちゃんのご来院お待ちしております。

 

動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

抗体検査

 

 

「以前混合ワクチンの後に体調を崩したので、あまりワクチンを打ちたくない」
「高齢になってきたので、出来れば混合ワクチンを打ちたくないけど、打たないのも心配」
「混合ワクチンを打つ回数を出来るだけ減らしたい」

 

このような相談を受けることがあります。

 

ワクチンの後の体調不良、心配ですよね。
出来れば打つ回数を減らしたいというお気持ち、十分に分かります。

 

このお悩みに対して良い解決策があります。

 

「抗体検査」と呼ばれる検査です。
(新型コロナでも少し話題になっている検査です)

 

「抗体検査」とは、ワクチンがしっかり効いているかどうかを調べる検査です。

 

この検査で混合ワクチンがしっかり効いていると分かれば、
ワクチンを打つ回数を減らせます。
(あまり効いていないと分かった場合は、追加接種が必要となります)

 

しっかり効いているという結果が出たので、この年は追加接種不要です。

 

 

元気で混合ワクチンの後も体調が問題ないようであれば、
毎年打っておくのが理想ではあります。

ただ、様々な事情で打てない、打ちづらいこともありますので、
そのようなケースではこの「抗体検査」が役に立ちます。

 

混合ワクチン接種に不安をお持ちの方や、
「抗体検査について聞きたい!」
という方は是非当院までご相談下さい。

 

動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

猫と腎臓

 

「ご飯をたべない。元気もない。吐く。」
という訴えで来られた猫さんがいます。
6歳の女の子です。

 

何とかしたいと思い、原因を調べたところ、
腎臓の数値が非常に高い。

 

BUN(腎数値) 107 正常値(16~36)
CRE(腎数値) 7.3 正常値(0.8~2.4)

 

年齢、画像検査などより、「急性腎障害」
と診断し治療を始めました。

 

急性腎障害(急性腎不全、AKIとも呼ばれます)
は読んで字の通り、急激に腎臓が悪くなる病気です。

 

猫の「急性腎障害」を起こす原因には
・ある種の炎症止め、痛み止めの薬(NSAIDs:エヌセイズと呼びます)
・尿管結石、尿道結石
・ユリ科の花の誤食
・急激な脱水
などがあります。

 

この猫さんですが、飼い主さんにお話を伺ったところ
眼の治療でNSAIDsを使っており、これが原因ではないかと思いました。
(NSAIDsの飲み薬で腎臓病になることはあるのですが、
目薬でなるのは正直レアケースだと思います)

 

頻繁に通院して、点滴治療を受けてもらい、
猫さんも、飼い主さんも非常に頑張ってくれました。

 

そのおかげで、1週間で体調は良くなり、腎数値も良くなりました。

 

治療前 治療後
BUN(腎数値) 107 27
CRE(腎数値) 7.3 1.4

 

実は腎臓病には、急性と慢性の2パターンあるのですが、
急性と慢性の大きな違いは完治するかどうかです。

 

急性腎不全は原因を取り除ければ、
完治する可能性があるのです。

 

この猫さんも今では特に腎臓の治療をしていませんが、
腎数値は問題ありません。治っています。

 チュールを食べて満足!

良い状態を維持できて、非常にうれしいです。

 

猫さんの腎臓病でお困りであれば、
是非当院までご相談下さい。

 

動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

なんとも奇妙な病気

 

 

「免疫力が下がってしまっているのに、
 免疫力を下げる薬を使わないといけない」

 

このような奇妙な病気があります。

 

この病気の名前を「免疫介在性好中球減少症(IMNP)」といいます。
なんか難しい名前ですね。

 

ざっくり言うと
免疫を行う「好中球(白血球の1種)」という細胞が、
これまた免疫を行う「抗体」や「補体」と呼ばれる物質によって
壊される病気です。

 

うーん
なんかまだよくわからないですね・・

 

さらにざっくり言うと、

免疫がおかしくなってしまい、

自分で自分の白血球を壊して、免疫力が下がってしまう病気です。

 

結果として好中球(白血球)の減少がみられます。

 

この病気は初期の段階では症状がでないこともあり、
健康診断や、別の病気の治療中などに見つかることも多いです。

 

しかし、進行すると、感染症を起こし、
体調をくずします。

 

治療はおかしくなった免疫を抑える薬を使います。

 

ここで、この病気の治療中のF君の紹介です。
別の病気の治療中にこの病気が見つかりました。

 

色々な検査を行い、「免疫介在性好中球減少症」と診断し、
治療を行ったところ、すごく数値が良くなりました。

白血球 好中球
治療前 2480 800
治療後 9530 8010

 今現在も治療は順調です。

 

健康診断などで、白血球の異常値が見つかり、

お困りであれば、是非当院までご相談下さい。

 

動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

レーザーとはなんぞや?

 

「レーザー治療」
という言葉を聞いたことがありませんか?

 

「レーザー」
聞いたことはあるけど、何かよくわからない感じですよね。
ざっくりというと「特殊な光」のことです。

 

この特殊な光を使って色々な治療を行うのが
「レーザー治療」です。

当院で使っている半導体レーザー

 

「レーザー」で出来ることとしては
①痛みを減らす
②傷の治りを早くする
③皮膚の出来物を切ったり、蒸発させたりする
などがあります。

 

今日はこの中の
①痛みを減らす
ことについて、お話させてもらいます。
*②③については、また後日説明させていただきます。

 

具体的にどのような場合に使うかですが、
椎間板ヘルニアなどで、腰や背中が痛い時に使います。

 

腰や背中が痛い時に、みられる症状としては
・動きたがらない
・背中を丸める
・抱っこするときに鳴く
などがあります。

 

このようなケースで痛みを減らしたい時が
レーザーの出番です。

 

このように痛いところに、直接当てて使います。(1カ所につき2分ぐらい)

痛みが取れて、うっとり

拡大図

 

副作用は基本的にないですので、痛みを減らす治療としてお勧めです。

レーザー治療についてご興味を持たれた方は是非、当院までご相談下さい。

 

動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

精巣の位置がおかしい・・・ 

「先生、うちのワンちゃん、
精巣(睾丸)の位置がおかしいのだけど、どうしたらいい?」

 

という相談を受けることがあります。

 

精巣が正常な位置にないことを
「陰睾(いんこう)」と言います。
他にも「潜在精巣」「停滞精巣」「停留精巣」「腹腔内精巣」
などと呼ばれることがあります。

 

色々呼び方があると、混乱しますね。
出来れば統一してほしいと思っています。

 

私は「陰睾」と呼ぶことが多いので、ここでは「陰睾」
と呼ばせてもらいます。

 

今日はそんな「陰睾」と呼ばれる病気を説明させていただきます。

先ほども言ったように精巣が正常な位置にないことを

「陰睾」と呼びます。

 

ワンちゃんでは遅くとも、生後6か月までに精巣は正常な位置に降りてきます。

ここで降りてこないのが「陰睾」です。

まず「陰睾」は2タイプに分かれます。

 

①皮下陰睾=精巣が股のところ(鼠径部と呼ばれます)にあるタイプ
②腹腔内陰睾=精巣がお腹の中にあるタイプ

*正常では2個とも陰嚢と呼ばれる嚢の中にあります。

 

どちらのタイプも正常な場合に比べて、
精巣が腫瘍になるリスクが高く、
13~20倍も腫瘍になりやすいと言われています。

 

ただし、外科手術で採ってしまえば何の問題もありません。

 

ですので、当院では「陰睾」が見つかった場合には、手術をお勧めしています。

 以前当院で「陰睾」の手術を受けたR君。

 

「精巣の位置がおかしい」「精巣が降りてこない」
ことでお困りでしたら、是非当院までご相談下さい。

 

動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

何か食べたかも・・ 「異物誤飲」

 

「何回も吐く、食欲がない、普段からいろんなものを口に入れてしまう」
このような訴えで、来院されることがあります。

 

この時点でピーンと来る病気があります。

 

そう、「異物誤飲」による「腸閉塞」です。

 

先日来院されたワンちゃん(1歳5か月、ダックスフント)も、
同じような訴えで来られました。

 

「何か食べたのかなぁ、心配だなぁ」と思いながら
お腹を触っていると、硬いものが触れる・・・

 

「何かある、異物だったら大変だ、早く何とかしないと」
と思い、レントゲン、超音波検査を行ったところ、
異物が見つかりました。

 

異物の正体は「石」が疑われ、腸で完全に詰まっていた(腸閉塞になっていた)ため、
その日のうちに手術をさせてもらうことになりました。

 

手術中、腸から石を取り出し、腸を縫って一安心。
念のために、他の腸を見ていたところ、
一部の腸の色が凄く悪い・・
石が無理やり腸を通過したため、腸がすごく傷ついていたのです。

 

「この腸は放置しておくと、穴が開いてとんでもないことになる」
と判断し、この色の悪くなった腸を切り取り、前後の腸を縫ってつなげました。

 

約20㎝も腸を切りましたので、
思っていたより大変な手術になりましたが、無事終わりました。
ここで本当に一安心。

腸閉塞の原因となった石

 

このワンちゃん、約1週間入院しましたが、体調もどんどん回復していき
すごく元気な状態で退院しました。

 

退院後も体調は全く問題ない感じでした。

うまく治って良かったです。
ホッとしました。

 

さてこの「異物誤飲」ですが、
起こしやすいワンちゃん、猫ちゃんには特徴があります。
・若い
・好奇心が旺盛
・なんでも口に入れちゃう
です。

 

このようなワンちゃんは「異物誤飲」にご注意ください。

 

また、よく見る異物には
・ぬいぐるみ
・石
・靴下
・竹串
・果物の種
・ひも状のおもちゃ
などがありあます。

 

これらの誤飲には注意が必要です。

 

もし「異物を食べてしまった、食べたかも」ということがありましたら、
当院までご相談ください。

 

動物病院京都 西京桂 獣医師 黒島稔也

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